benbowです。しとしとと降り続く雨の上海・無錫・蘇州観光2日目、後半です。前回のエントリで書いた2日目前半は無錫の観光でしたが、後半は蘇州を廻ります。旅先で雨の中、カメラを濡らさないように気を付けながら蘇州の風景を切り取りますよ。
2日目後半・耦園~蘇州運河
世界遺産の耦園
無錫での観光を終えてバスに揺られること1時間ちょい。蘇州へ到着です。ツアーの予定としては蘇州到着後に盤門と京杭大運河を軽く散策となっていましたが、時間に余裕があったのか(あるいは翌日のスケジュールに無理があるのか)、まずは翌日に予定されていた耦園(ぐうえん)に立ち寄りました。
耦園は非常に簡素な入り口ですが、簡素であることには意味があるようです。現地ガイドが言うには「昔は賄賂が横行していて、建物が立派だと賄賂をたくさんもらっていると思われてしまう。それを嫌って外からは簡素に見せている。賄賂については今も同じだけどね、呵呵」とのことでした。
耦園では蠡園のような庭園散策ではなく、建物内やそこからの内庭鑑賞がメイン。まだ雨が降り止まないままだったので、ちょうど良い観光スポットでした。
私たちのほかにも団体観光客が訪れていましたが、天候のせいか賑やかさは気にならず、ゆっくりと見て廻ることができました。建物やそこに置かれた家具などは、長い歴史を感じさせるような重厚さと色合いが印象的でしたよ。
こんな日や雨上がりには、雨垂れをうまく表現した写真を撮りたいと思うんですが、なかなか思うようにはいきませんね。自分の中で「こう表現したい」というイメージが明確になっていないことが一因だとは思っているんですが、この辺りは良い作品を数多く見ることで培われていくのかも知れません。精進あるのみですね。
盤門と京杭大運河
耦園の観光を終えて、次は盤門と京杭大運河沿いを軽く散策です。あまり時間がとれなかったことと、まだ雨がしとしと降り続いていることから撮った写真も少なめ。観光も「立ち寄ってみた」程度だったので、残念ながら印象は浅い場所になってしまいました。
京杭大運河は世界遺産にも登録されている1くらいなので、じっくりと見て廻ることができればまた印象は違っていたかも知れません。盤門も遠景を眺める程度だったので、その魅力をご存じの方はぜひ教えてください。
蘇州運河をナイトクルーズ
夕食のお供に青島ビールをいただいて喉を潤した後、オプションの蘇州運河ナイトクルーズに出かけました。ナイトクルーズという呼び方があまり似合わないような(アジア圏でよく見かけるような)年季の入った観光船に乗り込んで、蘇州運河の両岸に広がる景色をのんびりと眺めるツアーです。料金は200元(≒3,200円)/1人と、ツアーのオプションとしてはよくある料金設定です。
観光船に乗船する船着場の周辺は少し開けた公園のようになっていて、地元の方と思われる人達もちらほら。既に空は暗くなっていましたが、散歩や太極拳風の何かに勤しんでいる人も見かけました。前日のホテル周辺を散策してみた際にも感じましたが、治安は良い印象です。
観光船に乗り込もうと船着き場に向かうと、何やら手に持った鳴り物を賑やかに鳴らしながら近寄ってくるおじさんが。どうやら物乞いの類いのようでしたが、表情に悲壮感がなく笑みさえ浮かべながら何がしかをアピールしていました。インドには職業としての物乞いがいるそうですが、この方も似たような境遇なんだろうか、などと思いながら傍らを通り過ぎて乗船。
観光船は屋根付きでガラス窓の船室に各自座っての観光という形でしたが、幸いにも雨が上がっていてガラス窓を少し開けることができたので、窓の隙間から写真を撮ることが(少し苦しい姿勢ながらも)できました。
ちなみに窓のガラスはそこそこ汚れていたので、開けられなかったら写真は諦めようと思っていました。実はツアーバスやホテルの窓ガラスもこの船と似たり寄ったりな感じで汚れていたので、中国ではあまりその辺は気にしないのかも。旅行中は全く気になりませんでしたが、もしかしたら大気汚染の影響もあるのかも知れませんね。
観光船から見える両岸の景観は、都会の近代的なビル群のライトアップとは違って、古い建物をやさしく照らす光や、どことなくあやしさが漂うような光にあふれていました。単純にきれいな景色よりも味わいのある景色なので、一度体験してみる価値はあると思いますよ。
蘇州運河沿いの古い家屋に住む人たち
現地ガイドの説明では、両岸に並ぶ古い家屋は、主に年配の方が昔から住んでいるものが多いようです。住環境はあまりよくないらしく、エアコンが未装備な家がほとんどだそうですが、昔から住んでいる馴染みのある場所からは離れがたい、という理由で住み続けている方が多いとのことでした。こんな話を聞くと、日本の山村で限界集落と言われながらもそこに住み続ける方々のイメージが重なってきますが、やはり年齢を重ねるとそういった心境になるものなんでしょうか。
また、昔からそこに住んでいる人たちばかりではなく、出稼ぎにきた労働者もこの辺りに住むことが多いそうです。先ほども書いた通り、住環境がよくないことから家賃が破格の安さであることがその理由のようです。
こういった人たちにとっては、ここが観光スポットのひとつであることなどはどうでも良いのかも知れません。現地ガイドによると「彼らは何でも運河に投げ捨てる。昔からそれは変わらないけど、最近は観光地として景観を気にしなきゃいけないので、毎日ごみ掃除をしているんだよ」とのこと。確かに水面は比較的きれいだったような気がします。
両岸には古い住居だけではなく、華やかな店舗なども並んでいました。そういった店で賑やかに楽しんでいる人たち、昔から変わらず静かに住んでいる人たち、環境整備に勤しむ人たち、出稼ぎ労働者や船着き場で見たような物乞いと思われる人など、様々な人たちが織り成す景色も合わせての蘇州運河なのかも、などと深いような浅いような考察をしながらナイトクルーズを終えました。
蘇州の宿は太平大酒店
2日目の宿は蘇州の太平大酒店。現地ガイドの説明によると「初日はまああんな感じのホテルで、今日は少し良くなる。明日は更に良いよ。だんだん悪くなるより良くなっていく方が断然良いよね、呵呵」だそうで。確かにエントランスは昨日泊まった美麗都大酒店よりも広くて、相対的にグレードは高そうにも思えましたが、部屋に入ってみるとそれほど大きな差はないような気も。美麗都大酒店もそうでしたが、今日の太平大酒店も格安ツアーでの宿泊であれば概ね満足できるものでした。
ということで近所のコンビニでビールを買って、おなじみのじゃがポックルをつまみに晩酌。こんな使い方なら部屋のグレードはあまり関係ないよな、と改めて思いながら明日に備えて就寝しました。
- 世界文化遺産として登録されているようです。大運河というだけあって、その範囲は非常に広いものになっているので、どの辺りが観光スポットとして最適なのかはよくわかっていません。 ↩
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